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森のつぶやき

大田市は松の産地

2025-07-01
カテゴリ:職員のつぶやき
 大田市森林組合の広報誌である『組合通信』(現在は『銀の森通信』)の第1号は昭和34年1月1日付け発行です。
 第2号は昭和34年4月発行で、その中に『赤松は天然更新で育てましょう』の見出しで、冒頭に『島根県はマツの県と言われるほど立派なマツが育っています。マツの造林は、できるだけ天然更新で経費をかけずに致したいものです。』と記載があり、私も過去に昭和40年代に植栽されたアカマツ人工造林30年生くらいの脆弱な姿を見て、アカマツは天然下種更新をすべきと思ったところです。
 大田市森林組合では、昭和40年代後半から100年生前後の松の立木販売や直営班による素材生産を行っていましたが、今はほぼ松の伐採はありませんので、将来また松の時代が到来してほしいと思っています。
 松時代の到来の思いに関したことは、今後『森のつぶやき』に投稿する予定ですが、今回は第2号に記載されていた「アカマツ造林八則」と「~山づくり村づくり第五号から~」を紹介します。
【アカマツ造林八則】
1. アカマツ林の伐採に当たっては必ず優良母樹を残す。
(立木を売る時に残すべき母樹を標示しておく。)
2. 伐採跡地は天然更新が促進されるように地床処理をする。
(即ち地面をよく整理して露出し要すれば地表の掻き起しをしてやる。)
3. 地床の処理は種子の完熟落下前にしておく。
(枝条整理、雑木刈払い、地表掻き起し等は九月中に、遅くも十月上旬までには終わるようにする。)
4. アカマツ造林の原則は天然更新であるが、止むを得ず人工造林をする場合は密植する。
(アカマツ人工林の成功の秘訣は8,000本位の密植といわれる。)
5. 種子は必ず優良母樹から採りしかもできるだけ造林地に近い所に求める。
(母樹は役質の良い30年生以上80年生位のものを選ぶ。)
6. 人工造林の場合はもちろん、天然更新の場合でも稚樹発生後の保育を励行する。
(下刈を必要とするのは他の植物との競争に敗けないようにするためである。)
7. 密生させておいて間伐する※1。
(20~25年生頃から間伐を始め、20年生頃に一反歩当たり300本、30年生頃に150本位の割に立つようにする。主伐は30~40年生頃※2に行い、この時の本数は一反歩当たり100本内外になっておるようにする。)
8. 広葉樹と混生させる。
(間伐を繰り返すうちに林内には種々の効用種が自然発生するようになるから、これ等のうち有用樹種は保護して成長を促進し或いは林内に成長の早い大島ザクラその他の肥料木を植えて林地の利用度生産力を高めるようにする。)
※1 スギやヒノキと同じ考え方をするべきか少し疑問に思うが、かつて、80年生位の立派な松林を伐採するときに、所有者の方が間伐を実施したと言われていたので、それも正解なのかとは思うが・・・・
※2 昭和30年代の頃は松の小径木(パルプ材)は現在より価格が高く40年伐期で良かったでしょうが、現在の価格などを考慮すると主伐は70年くらい以上が良いと考えますが、如何でしょうか?
【~山づくり村づくり第五号から~】
 アカマツの天然更新は、一年前に雑木を皆伐し、根株の掘起こしをしておくのがよく、優良保残木は1町歩20本~40本といわれます。
(中略)
全国一と言われる島根マツを吉野の杉林に劣らぬ立派なものに育てましょう。

 以上、長々と紹介しましたが、その当時の森林組合の役職員の方の思いや時代背景が伝わってくる内容でした。

(まやみジイ)
2012年10月 作業道開設後&松(約65年生)伐採前
2013年2月 松伐採後
反省点:①残存本数が少ない ②欲が勝って、形質の悪い松が残った(-_-;))
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大田市森林組合
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島根県大田市大田町大田ロ1047番地3
TEL.0854-82-8500
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森林組合事業
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