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植栽配列と密度

植栽位置

植栽位置は、一本一本の木の成長と健全性の上から、それらの木にそのような生育空間を与えるか、植栽、下刈り、間伐などの作業能率の上から、どのような配置が都合よいかなどの考えの下に決めます。
通直で真円性の高い幹を生産するためには、樹冠が四方に均等に張れる空間を与えることが必要です。

 「正方形植え」(一般には方形植えと呼ぶ)は平地ではよいのですが、傾斜地では上下方向の空間が小さくなります。しかも傾斜地では、樹冠は谷側の部分が発達し、樹冠の山側の部分は、その上の木の樹冠の谷側の部分によって侵食されます。したがって、上下方向に距離の長い「矩形植え」は傾斜地で有効です。

 「正三角形植え」(一般に三角植えと呼ぶ)は、平地でも傾斜地でも、それぞれの木に均等な樹冠スペースを与えるのに最適です。三角植えは冠雪害による共倒れを防ぐのに効果があります。しかし間伐の伐出作業の能率は落ちます。

 「じぐざぐ植え」(千鳥植え)は三角植えに近い効果があり、積雪地帯でよく用いられます。列状植栽は2列植え、3列植えなどがあり、機械作業には便利です。
 

植栽密度

針葉樹の一斉林の場合

 ha当たり3,000本程度が標準的ですが、積雪地帯ではそれよりも少なめで、雪の少ない場所の良質材生産の場合は4,000~5,000本と、多く植えます。
 その理由は、若齢期にお互いの競争によって樹冠の発達を抑え、枝打ちしやすい状態にするためです。
 本数密度が低い林分で、表面無節の心持ち柱材を得ようとすると、樹冠の発達した木に強度の枝打ちをしなければなりません
(12cm角無節の材を生産しようとすると、直径8cmになるまでに枝打ちしなければならない)。
 
 その場合、樹木に急激にストレスを与えることになり、スギやカラマツの場合は後生枝(こうせいし・急に光が入ったり、強度の枝打ちが行われたとき、幹から新たに出てくる芽のこと)を発生させることになります。3,000本植えの場合、ヒノキで10cm、スギで12cmぐらいで枝打ちをするなら、生理的なストレスはありません。
 

針葉樹の短期二段林施業の場合

 上木の幹の間際を避けつつ、できるだけ均等に植えます。
 植栽本数はha当たり2,000~2,500本程度です。

針葉樹の長期二段林の場合

 上木の樹冠下を避けるように植栽します。植栽本数はha当たり1,000本から1,700本ぐらいの間です。
 択伐林施業の場合は上木1本の伐採につき、そのギャップ(伐採で生じた空間)に3~5本程度の苗木を植えます。
 ケヤキ、ミズナラなどの広葉樹用生産の場合は、幹の通直性、枝下高(単幹長)を高めるために、ha当たり5,000本以上の植栽密度とします。

広葉樹の場合

 広葉樹は針葉樹に比べて、生育空間が大きいと低いところから大枝が張り、幹別れが生じやすく、材の収穫歩止まりが低くなり、あるいは欠点のある大きな節が出やすくなります。 そのため、理想的にはha当たり数万本の植栽が望ましいのですが、大変な労力とコストがかかるので、5,000~10,000本ぐらいでやむを得ません。小面積の植栽であれば、さらに多くの本数を植えることも可能でしょう。
 広葉樹用材林施業に天然更新法がよく用いられるのは、多くの稚樹が密生しやすいからです。
 クヌギ、コナラなど、きのこ原木や薪炭材の生産の場合は、胸高直径が10~14cmの時に収穫するのがよく、またその後、萌芽更新で回転させることを考えると、4,000本ぐらいの植栽本数が適当です。
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